「150m制限」に関する誤解と、安全運用のための制度設計について
昨今、SNSや動画プラットフォームにおいて、明らかに航空法に抵触していると思われるドローン映像を見かける機会が増えています。先日、私共でも看過できない事案を確認し、関係各所へ通報を行いました。
今回のケースでは、「地表から150m以内」という高度制限を根本から誤解している投稿が見受けられました。
■ 150m制限の正しい解釈
問題の投稿では、「離陸地点(山の上など)が高ければ、そこから150mまであげ、その時点の海抜高度を維持したまま、谷も平野も飛行ができる」といった趣旨の説明がなされていました。しかし、これは明確な誤りです。
航空法における高度制限(第132条の85第1項第1号)
原則として、「地表または水面から150m以上の高さ」の空域を飛行させるには、国土交通大臣の許可が必要です。
つまり、海抜0mの地点でも、標高3,000mの地点でも、「ドローンの直下の地面(水面)から150m」が基準となります。山の上から飛ばして、谷底へ向かって水平に飛行させた場合、地表からの距離が150mを超えた時点で違反となります。
■ 通報後の現状と課題
この件について、地方航空局へ通報したところ「取り締まりは警察の管轄である」との回答を得ました。そこで警察へも詳細を報告しましたが、現時点では目立った動きが見られないのが実情です。
こうした現状を鑑みると、現行の「通報頼み」の監視体制には限界があると感じざるを得ません。
■ 運航管理者制度の必須化への提言
現在、ドローンの安全運用を担保するための「運航管理者」という役割が存在しますが、全ての飛行において設置が義務付けられているわけではありません。
しかし、今回のような基本的な法令誤認を防ぎ、実効性のある安全管理を行うためには、「全てのドローン飛行において、運航管理者の設置、もしくは外部の運航管理専門組織との契約を必須化する」といった、より踏み込んだ制度設計が必要なのではないでしょうか。
空の安全を守るため、業界全体で議論を深めていくべき時期に来ていると考えています。

