【苦言】「水平表面は45mまで」という誤解。その無自覚な飛行、いつまで続けますか?

ドローンを運用する皆様に、改めて問いたいことがあります。 制限表面、特に水平表面内において「45mまでなら大丈夫」と盲目的に信じ込んでいませんか?

もしそうなら、あなたの運航は「安全管理」ではなく、単なる「運の良さ」に依存しているに過ぎません。厳しいようですが、これが空を扱う現場の現実です。

「基準面」すら答えられない自称プロの危うさ

「どこから45mか?」 この問いに即答できない、あるいは「離着陸地点から」と回答してしまうのであれば、今すぐ運用体制を見直すべきです。

制限表面における高さの基準面は、『滑走路の標高』です。

そして、その数値はGoogleマップや適当な測量データで済ませて良いものではありません。航空機の安全を担保する唯一の公的文書であるAIP(Aeronautical Information Publication:航空路誌)に基づき、厳格に算出されるべきものです。この基本を軽視して「適当」に済ませることは、プロの仕事とは到底呼べません。

算出すれば一目瞭然。あなたは「高度20m」しか飛ばせないかもしれない。

具体的な事例で考えてみましょう。

  • AIPによる滑走路標高: 50m
  • 水平表面の制限高: 45m
  • この空域の絶対的な制限高度(海抜): 50m + 45m = 海抜95m

ここで、標高75mの地点からドローンを離陸させた場合、どうなるか。 許可される対地高度は、わずか20mです。

しかし、FISS(飛行情報共有機能)を確認すれば、こうした地点でも一律に「高度45m」と記載している登録情報のなんと多いことか。これが、業界に蔓延している「無自覚なリスク」の正体です。

プロの看板を掲げる責任

ドローン事業者として業務を請け負う、あるいはスクールで教鞭を執る立場にあるなら、この程度の知識は「知っていて当然」です。もし社内にこれだけの判断ができる人間がいないのであれば、それは組織としての安全管理能力が欠落していると言わざるを得ません。

厳しい言い方をすれば、安全に対してこれほど無防備な事業者は、航空安全の観点から見て、空に関わる資格はないと言っても過言ではありません。

「今」気づいたのなら、まだ間に合う

もし、この記事を読んで不安や焦りを感じたのであれば、その感覚を大切にしてください。 その焦りこそが、重大な事故を防ぐ最後のストッパーになるからです。

「知らなかった」で終わらせるのではなく、直ちに専門家による教育を受けるか、信頼できるコンサルティングを導入して体制を立て直してください。正しい知識に基づいた運航管理こそが、あなたの事業、そして業界全体の未来を守る唯一の手段なのです。