【運航管理】「携帯がつながるから大丈夫」の盲点。不感地帯での緊急連絡手段、本当に確保できていますか?
【運航管理】「携帯がつながるから大丈夫」の盲点。不感地帯での緊急連絡手段、本当に確保できていますか?
ドローンの飛行前準備において、運航管理者、操縦者、補助者、監視者といったチーム内のコミュニケーション手段を確保することは、もはや言うまでもない基本です。
しかし、一歩進んだ「外部との緊急連絡手段」について、皆様はどこまで本気で想定し、準備できているでしょうか。
特に、航空局や飛行場の管制官からの緊急連絡、あるいは今後導入が進むUSP(無人航空機運航管理サービスプロバイダー)制度下における事業者間の連携。万が一の事態において、最も迅速かつ確実なコミュニケーション手段となるのは、やはり「公衆電話回線による音声通話(電話)」です。
ここで改めて、ドローンを運用する皆様に問いかけたいことがあります。
「電波の届かない場所」での思考停止
ドローンが真に活躍する山間部や、インフラが寸断された災害現場。そうした場所では、普段私たちが当たり前のように使っている携帯電話の電波が届かない「不感地帯」であるケースが多々あります。また、災害時には回線が輻輳(ふくそう)して不通になるリスクも常に隣り合わせです。
まさかとは思いますが、「現場に行って、つながらなかったらその時考えよう」などという甘い認識で運航計画を立ててはいないでしょうか。
航空局や管制官からの緊急指示を受け取れない状態での飛行は、重大なインシデントに直結します。「電波が圏外だったから連絡がつかなかった」という言い訳は、航空安全の世界では一切通用しません。
思考停止に陥らない、プロのリスク管理一例
では、通信の不感地帯において、どうやって「確実な電話回線」を確保すべきなのか。 参考までに、弊社の取り組みをご紹介します。
弊社では、地上回線が頼りにならない地域での運航において、衛星ネットワークである「スターリンク(Starlink)」を経由したIP電話を、運航管理者の必須通信手段として確保しています。
さらに、運航管理者が不感地帯に入る前に、以下の対策を徹底しています。
- 事前のアセスメント:飛行エリアの通信環境を事前に把握。
- 確実な転送設定:不感地帯に入る前に、普段外部に公開している連絡先番号を、スターリンク経由のIP電話へと転送設定する。
この一工夫により、たとえ携帯電波が完全に「圏外」の山奥であっても、管制官や外部からの緊急入電をリアルタイムで確実に受けることができる体制を維持しています。
「万が一」を想定して動くのが、運航管理者の役割
高度な衛星ネットワークが発達した現代だからこそ、それをどう現場の安全対策に組み込むかという「運航管理者の手腕」が問われています。通信環境の死角を事前に潰し、バックアップの連絡手段を確立しておくこと。これこそが、運航管理者が果たすべき極めて重要な役割の一つです。
「つながらないリスク」に目を瞑ったまま漫然とドローンを飛ばすのか、それともあらゆる事態を想定して万全の通信網を敷くのか。
自社の安全管理体制に少しでも不安を覚えた方は、今すぐ運航準備のチェックリストを見直してください。確実なコミュニケーション手段の確保こそが、確かな運航品質と、事業者としての信頼を守る最強の盾となるのです。

